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【祝ピオレドール生涯功労賞】山野井泰史氏ホロスコープ考察②

  
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(12:20~)残りの指も切ってしまった方が力が出るんじゃないかと笑顔で語る山野井氏。

 

 

ホロスコープ考察②

さて前回の続きです。前回、おとめ座の3天体の重なりによってスーパーサイヤ人化しているところまで見ました。もう少し詳しいホロスコープを見てみます。

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柔軟のグランドクロス

まず目に飛び込んできたのが、おとめ座うお座・ふたご座・いて座で構成される柔軟宮のグランドクロス◇です。4種類のエレメントで構成される柔軟宮のグランドクロスですから、究極のフレキシブルさと読むと、様々な不測の事態をプレッシャーが与えられた状況で、連続して判断しなければならない岩登りと意味がシンクロしているように思います。リスクを考慮しながら、どのように回避してどのように順応するのか。どのように体を使い、攻略法を見つけるか。変化の連続でどんな状況であっても対応する。対応できてしまうのはこの柔軟のグランドクロスあってのものなのでしょう。

グランドクロス解説9:50~)

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ふたご座のドラゴンヘッド、いて座のドラゴンテイルは、太陽と月の通り道の交点のことを示します。まずはドラゴンヘッドを今世の課題、取り組むとより運が開けるポイントと読み、ドラゴンテイルを過去世で得意だった手練れポイント、落ち着くポイントとして読むことにします。

 

ドラゴンヘッドふたご座15度。サビアンシンボルは会話をしている二人のオランダの子供

この度数の人は、議論や会話が好きで盛んに人とコミュニケーションを求める傾向があります。相手の態度次第で自分の姿勢も言い方も変えてしまうので首尾一貫しない傾向がありますがそれはまだ心が防衛的だからでもあります。(愛蔵版サビア占星術 著 松村潔 p263)

ふたご座の情報や他者とのコミュニケーションに関することが今世で取り組むとより運が開けるポイントと読みます。山野井氏は本や文章を書くという事も本当はしなくていい事だと語っているのであまり好きではないのでしょう。書いたとしても年老いた時の自分の為に書いているとのこと。山にいるときもよそから情報が入ってくることを生理的に嫌っているようです。しかしこれだけの偉業を成し遂げている方ですから話を聞きたくなるのは自然な事ですよね。沢山のインタビューを受けたり著書も出されています。

 

山野井さんにとって
文章を書いたり、本を出したりというのは、
実は「しなくてもいいこと」だったりしますか?
山野井    本来は、しなくていいと思ってますね。
だけどぼくが山の文章を書いてるのは、
将来、自分が年をとって動けなくなったときに
「ああ、こんなことしたな」って眺めたいからなんです。

山における「マイナスの要素」をあげるとしたら
なにかありますか?
山野井    うーん、なんだろうなぁ。
‥‥もしトランシーバーとか持ってたら、
「そこから情報が入ってくること」 

ほぼ日刊イトイ新聞

 

しかし、サビアンシンボルだけで見ると13度や、14度の方がしっくりくるかなとも思います。

 

「ふたご座13度:ピアノを目の前にした偉大な音楽家

この度数の人は個人の能力を徹底して磨くことで人に感銘を与え、また自信のある生き方を他者に示すことができるでしょう。その為にはなにかひとつ特技が必要です。プレッシャーに強く、単独で行動することを好みます。(愛蔵版サビア占星術 著 松村潔 p261)

 

「ふたご座14度:テレパシーでの会話」

個人の体験や感情を人に伝えることは本来難しいことですが、この人はそれを試みようとします。真の意思疎通とは何かを真剣に考え、人との交流を求めます。多くの人の根底にある共通原理に関心を抱きます。(愛蔵版サビア占星術 著 松村潔 p262)

 

ドラゴンテイルいて座15度。サビアンシンボルは自分の影を探すグランドホック

この度数の人は自分の思想や知識が世の中にとってはまだ早すぎる事を自覚して、親しい人にだけ内面の真実を打ち明けるような生き方になるでしょう。社会生活においては弱気で自分の適性がどこにあるのか分からないかもしれません。(愛蔵版サビア占星術 著 松村潔 p491)

 

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グランドホックって何かな?と思って検索したらこんなかわいこちゃんでした。アメリカ、カナダには2月2日にグランドホックデーなるものがあるらしく、冬眠から醒めたグランドホックが自分の影を見た場合はまだ冬が続き、悪天候で影が見えなければ春が間近に迫っているという一種の占いがあるそうです。もちゃもちゃしていてかわいいですね。

 

さて、過去世で馴れ親しんだ手練れポイントがいて座と読むと、哲学的な精神世界の探究や、未知の領域を探究することに”やっぱりこれだよね”と、居場所があるように感じられるのかもしれません。未知とは想像ができない自分の知らない領域の事ですから、冒険的な事に惹かれるのは過去世からだったのかもしれません。

 

そうした世界は日常生活のなかで一般的にはあまり意味がないと思われたり、端に追いやられることもありますので、皆には大っぴらにせずに隠しておいているという感じでしょうか。社会生活はあまり関心がないとも語られていますしね。

 

自分にとって大切なのは、「想像できすぎないこと」ですね。
登ったときに自分がどう行動するかの
想像がつきすぎる山は、
ぼくはたぶんやらないんです。
やっぱり行って初めて味わうのがよくて、
登ってみたときに
「カーブを曲がったらこんな景色が広がってた!」とか、
「登るとき、こんな音がずっと聞こえてた」とか、
そういう感覚を、味わいたいんです。

やっぱり、ぼくは登っているときの自分が
いちばん自然な気がするんです。
「帰ってきたな」という感覚もあるし。
居場所というか。

ほぼ日刊イトイ新聞

 

 

トールハンマー神の拳

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雷神トールの持つハンマー

そして注目すべきは、おうし座の太陽金星(ベスタ)を頂点にして、おとめ座冥王星天王星火星と、いて座のドラゴンテイルを底辺にして織りなすトールハンマー(神の拳)と呼ばれる135度と90度の二等辺三角形△のアスペクトです。

 

散漫になりやすい柔軟のグランドクロスなのに、目的を見失うことなく、力が発揮されるのはトールハンマーによって中心に鎮座する太陽金星(ベスタ)のコンジャンクションがあるからなのでしょう。トールハンマーはイージーモードで使える能力と、困難と努力を引き換えに得られる能力の2つの面があり、底辺部分の天体が頂点にある天体のために使われることになります。

 

緊張感のある葛藤や挫折、困難を乗り越えることで得られる不屈の精神や能力が主に太陽の示す自己実現に注がれる形になっています。トールハンマー(神の拳)は他者への鋭い批判を意味するアスペクトと言われています。混ぜるな危険よろしくサイヤ人化するおとめ座冥王星天王星、火星が土台にあるので、それだけでも威力が凄まじいであろうことは想像つきます。山野井氏の場合は他者への鋭い批判というよりは、頂点が太陽なのでそのエネルギーは自己実現のための原動力になっていると考えてたほうが自然かなと思います。それほどのバイタリティーがなければ成し得ないことではないでしょうか。

 

 

優秀なおとめ座のやる気スイッチとうお座の恐怖感

あらためて思ったのはおとめ座って本当に優秀だなという事。思わず、自分の中にあるおとめ座要素を育てたくなりました。だって山野井氏がいつもちゃんと帰ってこれるのはこの優秀なおとめ座のおかげだと感じるからです。時には体の一部を犠牲にしてでも、全体を守り抜く冷静な判断。1歩先、2歩先、3歩先の具体的な準備ができる想像力はインタビュー内でも語っておられます。

 

きっとぼくは「想像」が得意なんですね。
遭難しかけたギャチュンカンの登山のときも、
周りの人から
「あの状況で、よくパニックにならなかったね」
とか、あとで言われたりもしたけれど、
あのときも特に、ぼくはパニックにはならなかった。
たぶんパニックって、
先の想像ができなくなって起こることでしょう?
だけど、ぼくは次に起きそうな状況を想像して
対処しておくのが得意だから、
あのときもずっと
「こんな状況になる可能性があるな」とか、
「次はこの道具を使うだろうな」とか、
そういうことばかり考えていたんです。

ほぼ日刊イトイ新聞

 

また、登りたい山はどのように決められているかの問いに”危機を感じるほど怖い場所”と語っています。やる気スイッチの火星(冥王星天王星が合)と恐怖や苦手意識の土星が向かい合っているのでこのような言い方になるのでしょう。それにしても、想像するだけで普通はとてもしんどいはずですが…。

 

ここに登りたい、登りたくないは
「見た目」ですね。
───    「見た目」。
山野井    そう。ぼくが登りたいと思うのは、
見たときに、なんだか「イヤぁーっ!!」って
叫びたくなるような見た目のものなんです。
身体の奥のほうから
「‥‥ここ、危ないんじゃない!?」
って思いが沸き上がってくるような場所。
そういう山や壁がいいんです。
───    危険を感じるほど、怖い場所。
山野井    そうですね。
そして、きっとぼくはそうした
非常に強い恐怖を感じるときに
同時に「登りたい!」と思っているんですね。
おそらくぼくにとっては、
「怖い!」という感情のなかに
登る意味が含まれているんだと思うんです。
怖さがないと登る意味がないとまでは
言わないですけど、
ぼくにとって怖さというのは
登る意味のひとつではあるんでしょうね。

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月星座はやぎ座?いて座?

そして、月についてなんですが、出生時間がわかりませんが、おそらく月はやぎ座ではない感じがします。既に純粋な思いだけが残る月いて座のような印象を受けます。おそらく、さらにお年を召して老年期になるほど太陽を十分に発揮してきた人だけが出せる、月の純粋性がすごく際立つ方だと思います。

 

なぜなら肉体的にはもう、若い頃に発揮していた太陽の輝きを物理的に実現することが、誰の目にも出来ないことがわかるからです。自分はもうできないけれど、これからを生きる若い人にはそうであってほしいという純粋な願いが大衆に共鳴するからです。

 

月が決して悪者ではない理由は、太陽を発揮できた人生であった場合にのみ、晩年になってから大衆に訴えかけられる力、大衆への最も純粋な願いを持つ存在としての稀有な役目があるからだと思えてなりません。7歳までの思いがいつまでも大切に秘められるのはこのためなのでしょう。マドモアゼル愛先生の月について↓

 

  
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まとめ

まず太陽おうし座の1度に山の頂のシンボルが入っていることが既にときめきポイントでした。過酷な登山イメージから、はじめはほんとにおうし座なの?なんで?と思いましたが、インタビュー内で随所に感じられるおうし座要素で納得がいきました。視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚。外界を感知するための感覚機能をフル活用して、生きている感覚を味わい尽くす。おうし座のなかでも最もおうし座らしい姿なんだと理解出来ました。あらためておとめ座の優秀さにも注目出来て、おとめ座すばらしい!育てたい…とも思いましたし。なぜかおとめ座賛美で終わりそうですが、何はともあれピオレドール生涯功労賞おめでとうございました。

 

ぼくは
自分で山の文章を書いたりもしますけど、
そのときもできるだけ、
山の状態を発信しないように気をつけています。
出かけていった場所で、
「目に何が飛び込んでくるか」
「どういう風の音が聞こえるのか」
「どういう匂いが感じられるのか」
といったことは、
それぞれの人が自分で登って発見するのが
いちばんだと思うから。

そうじゃないと、
その人が行ったときの山のおもしろさを、
奪っちゃうことになると思うんです。

ほぼ日刊イトイ新聞

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